ボランティアには5回ほど参加しましたが、ランナーとしては10年も当選しなかった東京マラソン。
2024年大会に一般枠で初当選、4か月間の練習で完走しました!
私の走力は、月に数回、近所をジョギングするくらい。がんばって7~8キロをキロ8分~8分半で走るレベル。
「当選したら練習するね!」
って言ってたんだっけ・・・。
ちゃんと練習しないとね!
がんばれ~
スタートブロックは、最終の【Lブロック】、スタートのロスタイムは23分、途中の関門を冷や冷やしながら通過し、最後はほとんど歩いてしまいましたが、ゴールした時はほんとうに感動しました♪
快晴、無風と天候に恵まれ、運営スタッフをはじめボランティアの皆さん、沿道から応援してくださる皆さん、そして家族に支えられたおかげです。感謝しかありません。
ぜひ、同じ気持ちを味わっていただきたく、この記事では、59才初心者ランナーが東京マラソンを完走するまでに実行したことをご紹介します。
練習方法などは専門のサイトを見ていただくとして、「準備したこと」、「想定したこと」、「実行したこと」でこれは良かった、というものをお伝えできればと思います。
勢いで申し込んで 「やばっ、東京マラソン当選しちゃったよ~」
という方、特に50代の初心者ランナーのお役に立てれば嬉しいです。
せっかく当選したチャンス!とにかく無理せず、ケガ無く楽しく完走するために、当選メールをみたらさっそく準備しましょう!
準備;「東京マラソン当選」メールをみたら準備開始
東京マラソンへエントリー;参加費の支払い期限は10日間
当落通知はメールです。
2023年の場合、一般枠は10月3日に抽選、当選メールが来て、参加費の納入期限はその日を入れて10日間。忘れずに期限内に参加費を支払い、エントリーしましょう。
東京マラソンランナー抽選に申し込んだ方は、メールチェックが重要です。せっかく当選したのに、メールを見逃してしまったらショックが大きい。。。
東京マラソンはスタートとゴールが離れているので、着替えなどが必要な方は荷物を預けることになります。
走る服装でスタート地点(東京都庁)に行き、ゴール(東京駅)からそのままの服装で帰宅できる方を除き、参加申し込みの時に手荷物預かりも申し込んでおきましょう。
練習アイテムをそろえる
私たち50代初心者ランナーは、若いころに比べ体力は衰えています。ケガを予防したり、筋力を補ってくれるようなアイテムに優先して投資しました。
事前の準備運動やストレッチはもちろんですが、ランニング用品は日進月歩進化しています。その力を使わない手はありません。
私の場合、ふくらはぎの肉離れがクセになってしまっているので、サポートタイツは一番グレードの高いものを選びました。
私が最初に購入したのはこちら、すべて下半身用ですが、この3つは重要で役に立ちました。
購入商品 | 選定理由 | |
シューズ | アシックス ゲル・カヤノ | ・アシックスの「ゲル」シリーズはクッション性があり、着地した時の衝撃が緩和され、足にやさしい。 ・シリーズに幅広タイプ(4E)があるので、甲高だんびろの自分にちょうど良かった。 ・ゲル・ニンバスが最上位モデルだったが、価格差があったので2番手のカヤノを選定。 ・ためし履きをした結果、どちらも着地したとき「ぐにゃっ」という感じがします。衝撃を吸収してくれている実感があります。 |
タイツ | ワコール CW-X ジェネレーター モデル | ・着圧タイツで、ふくらはぎやひざのサポートを期待 ・タイツをはくだけなのでカンタン ・ジェネレーターモデルは一番価格が高いが高機能。。。ここは投資するポイントと考え、最上位モデルを選定 ・これをはくと、たるんでいた足の筋肉がしまるように感じます |
ソックス | アシックス | ・土踏まずのアーチをサポートしてくれる機能があるとのこと ・確かに疲れにくくなったような気がしました |
想定;完走するためにシミュレーションする
時間内にゴールできれば、途中で歩いてもOKという思考でいきました。
若くない我々が、仕事をしながら時間を作って数か月間練習しても、フルマラソンをずっと走りきる領域に達するのはむずかしいですね。
ゆっくり走って制限時間内に完走するための課題を確認しました。
完走の一番のハードルは11.1キロ関門
東京マラソンの制限時間は国内でも長い7時間ですが、実は我々初心者ランナーにとって、きびしいハードルが前半にあります。
制限時間がある関門は、スタートから約5キロおきに設置され、その時間をすぎた瞬間に道路が閉鎖され、ランナーは先に進めなくなってしまうのです( ;∀;)。
距離 | 関門閉鎖 | 場所 |
4.9km | 10:25 | 市ヶ谷見附 |
11.1km | 11:10 | 外神田5丁目 |
15.4km | 11:55 | 久松町 |
20.9km | 12:45 | 緑1丁目 |
24.7km | 13:20 | 深川1丁目 |
29.2km | 14:00 | 浅草橋 |
33.5km | 14:35 | 数寄屋橋 |
37.8km | 15:15 | 芝5丁目 |
42.195km | 16:10 | 東京駅前行幸通り |
特に赤字で記した「11.1km:11:10」「33.5km:14:35」がキモです。
とにかくそこを通過することに全力で集中しましょう。まずは11.1キロ関門から。
シミュレーション;11.1キロ関門を通過するために
11.1キロ関門を通過するために、どれくらいのペースで走れば通過できるかシミュレーションしました。
スタートブロックが最後方の「Lブロック」の場合、20分~30分程度のロスタイムが発生します。
事前に予想したモデルタイム二つと、自分の実績を表にしました。関門通過時間とカッコ内は関門に対する余裕時間(マージン)です。
距離 | 関門閉鎖 | モデルケース① ロスタイム25分 キロ8分 通過時間 | モデルケース② ロスタイム30分 キロ8分 通過時間 | 私の当日 ロスタイム23分 キロ8分 |
4.9km | 10:25 | 10:14 (11分) | 10:20 (5分) | 10:17:00 (8分) トイレに行く 6分ロス |
11.1km | 11:10 | 11:04 (6分) | 11:09 (1分) | 11:07:00 (3分) |
11.1キロ関門では、モデルケース②ロスタイム30分のとき、スタートからキロ8分で走り続けた場合でも、1分しか余裕がありません。「トイレにも行けない」ことがわかります。
キロ8分ランナーは、残念ながらここまでは歩けません。11キロ以上走り続けられる走力は必要になります。
対策として私が実行したのは、以下です。
スタートロスタイムを少しでも短くするために、集合場所に早く到着し「Lブロック」の中でも早く並ぶことにしました。
スタートゲートは7時開門。少し前に到着し、先頭集団で身支度を終え、荷物を預け、トイレにも二回いって列に並びました(7:40くらい)。ここまでは計画通り♪
しかしそこからスタートまで1時間半以上、公園で立ちっぱなしで待つのです。幸い晴れて日向だったのですが、3月初めの気温は低く、時間がたつにつれまたトイレにいきたくなるような気配が。。。
列から出てトイレにいくとまた最後尾になってしまいます。しかもトイレは長蛇の列。ここはがまんして、できれば11.1キロより先のすいているトイレに入る作戦にしました。
結果は4キロくらいでがまんできずにトイレに駆け込みました。みんな同じでやっぱり並ぶんですよね~。そこで6分のロス。
早く並んで30分ロスタイムが23分になり7分もうかったんですが、早めのトイレで6分のロス。
差し引き1分儲かったくらいですが、鬼門と思われた11.1キロ関門を3分前に通過できました。
早く走れる方には問題にならないと思いますが、キロ8分程度の初心者ランナーにとっては11.1キロ関門が大きな壁です。どうやって通過するか、イメージしておいて良かったです。
関門時間とペース表を準備する
関門時間と自分のぺース配分の目安を常に確認できるように、キャップのひさしの内側にリストを両面テープで貼り付け、レース中は何度もチェックしました。
「関門まであと何キロだよ~」
と、大会関係者の方が声掛けしてくれましたが、いつでも自分で確認できると安心できます。
これはやってよかったアイテムで、おススメです。
とにかく37.8キロ関門を通過すれば歩いて大丈夫!までたどり着くことが目標です。
トイレも3回を想定しましたが、2回ですみました。
ランペースの確認
自分が今、関門に間に合うペースなのか知りたくなりますよね。
ランニングウォッチが一般的ですが、GPSに誤差があるのを今回体感しましたので、信用しすぎないことが大事です。
当日は2つの時計で計測しましたが、ペース(キロ何分で走っているか)が同じではないんです。
ガーミンのほうが速く表示されました。アップルウォッチとの差はキロあたり10~20秒。走りながらチラ見した限りでは7分45秒と8分ちょっとくらいの差でした。
どちらか一つしか持っていないと、正しいと思い込みますよね。今回は二つの時計の数値が異なっていたので、誤差があることに気づき、目安として遅いほうのタイムを参考に走りました。
調べてみると、GPSはビルがたくさんあるところだと誤差が出やすいようです。
アップルウォッチは古いこともあり、バッテリーが持つか心配だったのでランニングウォッチとしてガーミン ForeAthleat55 をお迎えしました。
ガーミンは表示が大きく、走っているときも見やすくてよかったです。振動で伝えてくれる感触も強すぎず弱すぎず気に入ってます。何より毎日充電しないで済むのはありがたいです。
アップルウォッチは予想通り後半でバッテリーがなくなってしまいました。
東京マラソンのためにガーミンを買いましたが、文字盤をアナログにできるので、仕事に行くときもつけています。
追記;Android専用のスマートウォッチを試しました。Androidユーザーにはおススメです。
>>TicWatch Pro 5 Enduroレビュー;HR(心拍数)カラー表示に感動!
実行;完走するためにした練習内容
カレンダー | 目標/やったこと |
23年10月 | ・当選メール、エントリー ・練習アイテムを購入 ・週に2回ウォーキング&ジョギング |
23年11月 | ・週に2回ジョギング ・週末に10~15キロ走れるようになる(キロ8分30秒) |
23年12月 | ・週に2回ジョギング ・週の中日:だんだん早めのペースで5~10キロ (キロ8分30秒~キロ6分30秒) ・週末:10キロ~15キロ(キロ8分30秒~8分) ・週末:1週間おきに21キロ走る(2回) |
24年1月 | ・週に2回ジョギング ・週の中日:だんだん早めのペースで5~10キロ (キロ8分30秒~キロ6分30秒) ・週末:10キロ~20キロ(キロ8分30秒~8分) ・30キロ走る(1回) →右ハムストリング肉離れ(軽傷) |
24年2月 | ・週に2回ジョギング ・20キロ走る(前半1回) ・2/25:右ふくらはぎ肉離れ(軽傷) ・最終週;お休み |
24年3月 | ・3/3:本番 |
12月にハーフ、1月に30キロ走ることを目標にしました。
走る練習は週に2回。3回走ると全く疲れが抜けなかったからです。
人によって、年齢によっても回復の時間は違うと思いますが、無理をするとケガにつながります。自分に合ったサイクルをさがしましょう。
走らない日はスクワットをすこしずつ行いました。
少しずつ距離をのばし、12月にハーフマラソンの距離を、1月に30キロを走ることを目標にしました。ペースはMAXキロ8分です。先に述べたようにキロ8分でも完走は可能ですので、ペースを上げる練習はしませんでした。
軽傷ですが、肉離れを2回経験しました。その時は1週間走ることをやめました。本当はしっかり休むべきですが、1週間様子を見て痛くない範囲で再開しました。
東京マラソン当日のウェア
朝の待機時間は寒い
東京の2024年3月3日は快晴でしたが、ランニングウェアに着替えたあと、朝の待機時間は非常に寒いです。
防寒として100円ショップのカッパやポンチョを着ている人が一番多く、フリース素材のジャケットの方もいました。サバイバル用のアルミシートの方もちらほら。
私はダイソーのコンパクトなポンチョを着て、使い捨てカイロを4つ持っていました(笑)。短パンの左右ポケットにひとつづつ、おなかと腰にひとつづつ。日向にいられたのでまだ助かりましたが、それでも寒かったです。
私はゼッケンが見えるように透明なものが良いかと思い、透明なビニール製のポンチョを探しましたが、スタート前に脱いでしまえば、少し厚手の半透明の素材でも大丈夫です。そういうかたはたくさんいらっしゃいました。
気を付けたいのは、すぐに脱げるようなものを選ぶこと。スタート直前に道路わきの回収エリアに脱ぎ捨てるのですが、ゆっくり走りながらの状態になるので、上から脱がないといけないポンチョだとちょっと面倒です。
フロントボタンをはずすと脱げるカッパタイプがおすすめです。
私は透明ポンチョだったのですが、薄いビニール素材だったので、破いて脱ぎました(笑)。
フリースなどの防寒着も預かってもらうことができません。スタート前に回収エリアで捨ててしまうことになりますのでご注意ください。捨てる前提で、不要なものやリサイクルショップで激安品を購入するのもありですね。回収された衣類はきちんとリサイクルされるとのことです。
晴れの日のレース中はこんな感じ
キャップは日よけになるのであったほうが良いかと思います。
ネックウォーマーは寒さ対策に有効でした。暑くなったら捨ててしまおうと100均で仕入れたんですがつけているのを忘れて最後までしてました。
スタートの時間は寒くてウインドブレーカーを着ていましたが、10時過ぎると暑くなってきたので脱いで腰に巻きました。捨てるにはもったいないので・・・(笑)
ゴールするまでこの格好でちょうど良かったです。
私の周りでもジャケットを腰に巻いている人は多かったですよ。そんなにスピード出して走れないから、すぐに暑くならないので最初は着ていたいんです。
アスリートビブスはTシャツに着けました。ウインドブレーカーを着ているときは、ファスナーを開けてビブスが見えるようにしないといけません。ビブスが見えれば大丈夫です。
役に立った快適グッズ
購入して役に立ったアイテムをご紹介します。
摩擦防止クリーム;プロテクトJ1
半信半疑で購入して塗りましたが、思いのほか効果があってびっくりしたものです。
靴下をはく前に足のつま先、指の間、足の裏前部に塗りました。数分で乾いてさらっとします。マラソンが終わってから、足にマメはおろか何もダメージがありませんでした!
また、コンプレッションシャツの下が、乳首の擦れやおなか周りが赤くなるのが気になってクリームをしっかり塗りました。こちらも着替えの時にまったくダメージなしでした!
実はワセリンも買ったんですが、ヌルヌルが続きそうなので口コミを見てこの摩擦防止クリームを購入しました。これはとてもおススメ! 買ってよかったアイテムです。
完走セットジェル
遅いランナーには給食が残っていない、とのうわさが多かったので自分で持っていきました。実際には給食はしっかり残っていたので、どうしても持たないといけないものではありませんが、自分のペースで食べられるので、もてる範囲で持っていくとよいと思います。
東京マラソンなど大きいレース前には、スポーツ用品店でセットで売っています。私のような初心者にはありがたかったですが、効果のほどは、気の持ちようでしょうか(笑)
【東京マラソン2024】59才初心者ランナーが完走するまでに実行したことまとめ
【東京マラソン2024】59才初心者ランナーが完走できたのは、このイベントがとても良くできていることも大きいと思います。
ボランティアさんの献身的なサポートや、切れ目ない沿道の応援、大都会の真ん中を走れることの気持ちよさ、など上げたらきりがありません。
準備としてケガをしにくいアイテムを入手すること、少なくともハーフマラソンくらいの距離(できれば30キロ)を走れるように練習しておけば、雰囲気に乗せられて走りきることができるのではないかと思います。
練習の時は、同じコース(周回コースなど)をもくもくと走る練習が良いと思います。つまらない場所で走るのに慣れておくと、本番はすばらしい景色の中を走るので、疲れるのを忘れてしまうからです。
東京マラソンは走り終わるのがもったいないと思うくらい、楽しい一日でした。
この気持ちをぜひ、皆さんにも味わっていただきたく。
来年も当選しないかな。。。と淡い期待をしています。
落選したら、またボランティアで徳を積みたいと思います(笑)。過去のボランティア体験レポートはこちらから
コメント